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「あおもり歴史トリビア」第594号(令和6年3月22日配信)

「あおもり歴史トリビア」第594号(令和6年3月22日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。3月16日(土曜日)に北陸新幹線の金沢−敦賀間が開業しましたね。新たに北陸新幹線の発着点となった福井県敦賀市は日本遺産「荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間〜北前船寄港地・船主集落〜」「海を越えた鉄道〜世界へつながる 鉄路のキセキ〜」の認定を受けており、「鉄道と港のまち」と呼ばれています。

明治35年(1902)、シベリア鉄道のハバロフスク−ウラジオストク間が開通し、これに伴って敦賀とウラジオストクの間に定期航路が開設されると、敦賀は対ロシア貿易の重要な拠点となり、国際都市として発展しました。そんな敦賀には青森市に本社を置く青浦(せいほ)商会の出張所も設けられました。青浦商会とは明治42年に北山一郎(のちの青森市長)が設立した会社で、ウラジオストクに支店を置き、青森とウラジオストクの間で貿易を行っていました(詳しくは「あおもり歴史トリビア」第342号をご覧ください)。

さて、私は昨年9月に初めて敦賀市を訪ねました。その際、敦賀市教育委員会の中野拓郎氏から青浦商会に関する資料として林登美雄「金崎宮の玉垣に関する一考察」(日本海地誌調査研究会の『紀要』に収録)という論文を紹介していただきました。この論文は敦賀市金ケ崎町にある金崎宮(かねがさきぐう)という神社に奉納された玉垣(明治45年完成)を調査して執筆されたものです。615基ある玉垣には敦賀港の貿易関係者から奉納されたものが多く、その中に「青浦商会支店」と刻まれたものがあるといいます。

私は金崎宮を訪問し、境内で「青浦商会支店」の玉垣を確認しました。玉垣には青浦商会のロゴマークと「在浦潮斯徳」「青物商」「青浦商会支店」「青森県人」の文字が刻まれていました。敦賀市内に青森市との歴史的なつながりを示す資料があることを知り、大変嬉しく思いました。

なお、青浦商会は昭和初期に解散しましたが、敦賀出張所に勤務していた木村良次郎(青森出身)は敦賀に残り、貿易業に携わっています。『敦賀商工会議所百年史』(敦賀商工会議所 2005年)によると、昭和17年(1942)時点で敦賀貿易商組合と敦賀輸出商組合の組合長を務めていました。さらに、戦後は敦賀信用金庫の理事長も務めたそうです。

今後も青浦商会と木村良次郎について調査を続け、新しい資料を見つけることができればと思っています。

※今回の内容は『青森学術文化振興財団・令和5年度助成事業「北海道新幹線・札幌延伸への準備および北陸との協働 青函エリア発『新幹線学』構築の試みと提言(1)」成果報告書』(青森大学社会学部櫛引素夫研究室 2024年)でも取り上げています。

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TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp

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  • 登録日 : 2024/03/22
  • 掲載日 : 2024/03/22
  • 変更日 : 2024/03/22
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