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ここ十和田でしかみることができない38点の恒久設置作品が展示されている常設展は、草間彌生、ロン・ミュエクなど世界で活躍する33組のアーティストによるコミッションワークにより構成されています。また常設展スペースのほか、文化芸術活動の支援や交流を促進する拠点として、ギャラリースペース、カフェ、市民活動スペースなど、多様な機能を持ちます。
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは!歴史資料室の鈴木です。
今回は、7月3日より始まった館内展示「戦争の時代のはじまり−市民の生活意識はどう変わったのか」に関する展示図書をご紹介したいと思います。
まず、川名紀美著『女も戦争を担った〜昭和の証言〜』(河出書房新社 2023年)です。
これは、昭和57年(1982)に出版された本が41年ぶりに復刊されたものです。ともすれば被害者として語られることの多い女性たちが、実際には戦時下でどのように過ごし、戦争とどう関わったのか。著者は、当時多くがご存命だった各地の戦争体験者に取材し、本にしました。
第一章は「息子を『売った』母」。実は、これは俳優の三国連太郎さんのお母さんなのです。彼は昭和18年に召集令状を受け取りますが、「何としても生きたい」と兵役を逃れて大陸に渡ろうとしました。しかし、逃亡の途中でふと家族を思い手紙を出します。息子の逃亡を知った母はどうしたのか? 愛する息子を死なせないためにはどうすればよかったのか?
ほかにも、軍国美談として国定教科書に取り上げられた母、一生懸命に豆兵隊をつくった熱心な女教師、昭和7年に大阪で国防婦人会を立ち上げた女性や、そこで活動することに生きがいを見出した女性など13の事例が記録されています。
家族への愛情や、自分も世の中の役に立ちたいという女性の思いが、いつの間にか戦争遂行に利用されてしまった、そんな時代があったことを伝える1冊です。
2冊目は、大塚英志著『「暮し」のファシズム―戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』(筑摩書房 2021年)です。
令和2年(2020)春、新型コロナウィルスの感染拡大のなか、「新しい生活様式」という言葉をよく耳にしましたね。戦時下の昭和15年にも、これと似た言葉が聞かれました。国が「高度国防国家」を築くため、国民に日常生活の「新体制」を求めたのです。さらに、その新体制下では「自粛」「工夫」「科学」といった言葉もよく使われていました。
著者は、「プロパガンダに見えるプロパガンダと、プロパガンダに見えないプロパガンダがある」といいます。また、戦争を鼓舞する「男文字」のことばと、日常や生活の領域に入りこむ「女文字」の言葉があるともいい、それを国策広告に携わった花森安治らによるスローガンや、太宰治の小説『女生徒』、長谷川町子の漫画『サザエさん』などの作品から読み解いていきます。
ほかにも、日本占領下の上海が舞台の、手塚治虫原案・桜庭一樹著『小説火の鳥 大地編 』(朝日新聞出版 2021年)や、日中戦争中にモンゴルからチベットに潜行し戦後インドを経て帰国した西川一三を描いた、沢木耕太郎著『天路の旅人』(新潮社 2022年)など86冊を展示しています。すべて貸し出しできますので、ぜひ手に取っていただければと思います
《問合せ》
青森市民図書館 歴史資料室
青森市新町一丁目3番7号
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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