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「あおもり歴史トリビア」第576号(令和5年10月27日配信)

「あおもり歴史トリビア」第576号(令和5年10月27日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。文化遺産課の児玉です。私の好物の一つであるウニですが、水産庁の資料を見ると、令和3年(2021)におけるウニの国内消費仕向量(国内市場に出回った食料の量)は、2.5万トンで、そのうち国内生産が25.4%となっており、その他約74.6%を海外からの輸入が占めています(註)。最近では高値が続き、輸入物でさえ高級食材として知られるようになりました。なかなかウニに手を出せない私は、見た目も味もウニそっくりな豆腐をご飯にのせた、疑似ウニ丼で満足しています。
 
全身トゲだらけで見た目も怖いウニですが、いつ頃から食べられていたのでしょうか。2021年にユネスコの世界遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち、三内丸山遺跡(青森市)や大船遺跡(北海道函館市)などからウニの殻やトゲが出土しています。北黄金貝塚(北海道伊達市)では、ウニやカキが捨てられた層の中にオットセイなどの海獣類の骨が見つかっており、縄文人がグルメな食生活を送っていたことがわかります。
この北黄金貝塚では、2023年に「復元貝塚再生プロジェクト」と題したユニークな取組みが行われており、ウニ、マガキ、ハマグリ、アサリの4種類の殻を地域住民に持ってきてもらい、復元した貝塚の再整備に役立てていました。

また、土器の胎土中にウニ殻やトゲが混入する例もあり、幸連5遺跡(北海道木古内町)では縄文時代中期の1個体の土器からウニの殻19点、トゲ28点の圧痕が確認されており、トゲの大きさなどからエゾバフンウニと考えられています。別の個体の土器破片からは、直径が1.5ミリほどのトゲの圧痕が確認され、キタムラサキウニの可能性が指摘されています。土器を製作する際に、ウニを砕いて意図的に粘土に混ぜていたのかもしれません。

大川遺跡(北海道余市町)では、続縄文時代前期(本州では弥生時代)のお墓から直径約9センチ、高さ約5.5センチの「ウニ形土器」が見つかっています。トゲの無い状態のもので、口の部分から放射状に線と点で文様が描かれています。土器の中には、赤色顔料が付着しており、当時は赤色の粉末を入れていたのだと思います。

日本は世界で一番ウニを消費している国と言われていますが、日本人のウニ好きのルーツは縄文時代からなのかもしれませんね。

(文化遺産課 児玉)
(註)https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R4/attach/pdf/230602_3-1.pdf(2023.10現在)


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  • 登録日 : 2023/10/27
  • 掲載日 : 2023/10/27
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