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国際交流LEVELアップる(令和6年6月5日配信)

国際交流LEVELアップる(令和6年6月5日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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台湾の国際交流員、陳 けい(チン ケイ)です。
5月は、皆さんはどの様に過ごしましたか?
私は、花粉症を絶賛発症中です。
台湾では、おそらく日本より杉が少ないし、湿度も高いから、
花粉症はほとんどありません。
多くの在日台湾人は、来日3年目に発症します。
これは、台湾人の先輩たちが言っていた「3年目のジンクス」ですね。
台湾では「ジンクス」を「魔呪」といい、私は、まさかの「3年魔呪」の通りです。
それ以来、春に新鮮な空気を吸うことが出来なくなりました。
来日したばかりの時に、先輩の「春にマスクを着けた方がいい」
という忠告を聞かなかった自分を殴りたいです。

さて、話が変わりますが、4年に一度5月に行われる台湾の重要行事を紹介したいです。
それは、日本のニュースも報道した20日の総統と副総統の就任式典ですね。
今回の配信では、台湾の新任総統・副総統における
「魔呪破り」や「型破り」のことを紹介します。

台湾の総統・副総統選挙は4年に一度で、
1月に行い、そして就任日は5月20日と決められています。
就任式典は、台北市にある総統府で行い、
新任の総統と副総統は、国家に対する忠誠を誓います。
そして国家の権力を象徴する「国璽」(国の印章)を交付し、
総統は、総統府の外にある舞台で就任の演説を発表します
そのほか、
陸海空軍の軍用機によるパフォーマンスや、
軍楽隊の演奏や学生たちのダンスなどがありまして、
最後に総統と副総統は、みんなと一緒に踊りました(笑)。

ちなみに、「当選」の?体字は「當選」ですが、
台湾ではよく「凍蒜」で書かれています。
「凍蒜」の文字上の意味は「凍ったにんにく」で、
「当選」とはあまり関係ないですね。
なぜよく「凍蒜」で書くかというと、
「當選」の台湾語発音カタカナは「凍蒜(ドン スァン)」に似ているため、
縁起がいい言葉として、選挙期間中によく使われています。

凍蒜した頼清徳氏と蕭美琴氏は、
2016年から発足した前政権と同じく民進党に所属し、
前職がそれぞれ副総統と、駐米代表(駐米大使相当)でした。
今回両氏の凍蒜は、台湾総統選挙の「二任期の8年ごとに政権が交代」
という魔呪を破り、民進党政権の第三任期となっています。
また本来、副総統であった頼氏が総統選挙に挑み、そして凍蒜したことは、
台湾民主選挙を行った1996年から初めての出来事です。
これも一種の「魔呪破り」ですね。

頼氏は、新北市の「万里」の生まれです。
台湾大学と台南の成功大学で医学を学んで、
ハーバード大学で公衆衛生の修士号を取得しました。
しばらく台南で内科医として勤めてから、政界に進出しました。

台湾では、頼氏のように医者から政治家へ転身した事例が少なくないです。
しかし、過去の台湾総統は、ほとんど法律分野出身です。
頼氏は、初めての医学部出身の総統になりました。
これから、台湾における医療保険の財務問題や、
医療従事者の過重労働を解決することが期待されています。

また頼氏は、親日家として有名です。
例えば、東日本大震災直後の2011年4月に、台南市長であった頼氏は、
市民の募金を自ら持参して友好関係にある仙台市を訪問しました。

頼氏と日本の繋がりがもう一つあります。
それは、頼氏と俳優の大沢たかおさんの雰囲気がよく似ていることです。
2014年に、日本統治時代の台湾野球を語った映画「KANO」のイベントで、
初対面の二人のツーショットが話題になりました。(笑)

そして副総統の蕭美琴氏は、日本の神戸生まれです。
彼女は、台湾とアメリカのハーフであり、
台湾初の女性駐米代表として、
外交の現場で台米関係に大きく貢献しました。
蕭氏は、幼少期から台湾語、中国語(台湾華語)と英語を駆使して、
両親とコミュニケーションを取り、そして両方の祖父母の通訳をしました。
このように語学力を生かし、異文化理解の架け橋になった経験が、
駐米代表の仕事に似ていると蕭氏は語ったことがあります。

副総統の仕事は、主に総統の補佐ですが、
台湾初の女性駐米代表から、台湾初のハーフの副総統となった蕭氏は、
就任前に、欧米諸国を訪問しました。
これから、外交の経験を発揮する
「型破り」の副総統になる可能性もありますね。

両氏は、ともに日本とアメリカにルーツを持ち、
そして、国際社会における台湾の可視性と影響力を高めるために、
尽力しています。

私は、2016年に来日しました。
ちょうど蔡英文前総統が就任して1年目の年です。
この8年間に、東日本大震災10周年や、
新型コロナウィルス感染症の拡大防止、
そして今年の能登半島と台湾花蓮地震に伴う復興など
様々な出来事がありました。
このようなことを乗り越えるためには、
台湾と日本、そしてその他各国の間で善意の連携が欠かせないと私は思います。
これが私の、国際交流員という仕事に就いたきっかけのひとつです。
これから新しい政府が率いる台湾の発展を期待しながら、
私自身の責任をしっかり果たしたいです。

それでは、また7月にお会いしましょう!
拜拜(バイバイ)〜


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青森市新町1-3-7
TEL:017-734-5235

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  • Posted : 2024/06/05
  • Published : 2024/06/05
  • Changed : 2024/06/05
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