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「あおもり歴史トリビア」第571号(令和5年9月22日配信)

「あおもり歴史トリビア」第571号(令和5年9月22日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の福田です。

旧第五十九銀行本店(1904年)、旧弘前市立図書館(1906年)、旧弘前偕行社(1907年)など優れた明治の洋風建築を手がけた堀江佐吉については皆さんよくご存じのこととおもいます。佐吉の手掛けた建物は主に弘前市に残っていますが、佐吉の後を継いで大工となった子ども達は青森市域でも様々な事業をしていました。今日は佐吉の子孫と青森の建築物について紹介したいと思います。

長男彦三郎が携わった建築工事は、明治43年(1910)5月3日の青森大火に関連があります。この日午後1時、安方の菓子製造業の建物を火元とする火災は、折からの暴風に煽られて猛烈な勢いで広がり、民家、東奥日報社や陸奥新報社などの社屋、学校、警察署、市中心部にある多くの公共施設を焼き尽くしました。『青森市消防史』には、佐吉の長男彦三郎が市内で炊き出しを行い、旧莨町尋常小学校敷地に罹災者の避難所を建設したとあり、焼け出された住民の救援に当たっていたことがわかります。
復興の際には焼失した建物の再建に関わっていました。明治44年4月9日付の『東奥日報』には、青森市役所の新築工事は入札の結果堀江組の施工と決まり、準備中である旨の記事があります。『青森市議会史』には明治44年12月19日、市立商業学校落成式に工事請負業者として彦三郎が出席していたことが記されています。青森大火発生直後から復興まで佐吉の長男彦三郎率いる堀江組は、大きな活躍をしていたのです。

昭和6年には7男の幸治が、鉄筋コンクリート2階建ての重厚なデザインと装飾をもつ
第五十九銀行青森支店を建てています。第五十九銀行は昭和18年(1943)10月1日、県内5つの銀行が合併して現在の青森銀行となるのですが、その際、父佐吉が手掛けた第五十九銀行本店が弘前支店となり、息子幸治が設計した青森支店が本店として使用されることになりました。今年は、それから丁度80年の節目の年にあたります。

青森銀行弘前支店は昭和40年の新店舗建設に伴い、当初取り壊される予定でしたが、地元で保存が強く要望されたため曳家して青森銀行記念館として保存され、昭和47年には国の重要文化財の指定を受けます。その後、平成30年(2018年)弘前市に寄贈され、現在は旧第五十九銀行本店として公開されています。一方、青森空襲(昭和20年7月28日)の被害を免れた本店は、昭和45年青森市橋本に新店舗開設後に青森県に寄贈され、昭和48年青森県立郷土館として開館し、今年9月20日で50周年を迎えました(現在は休館中)。平成16年には、昭和初期の貴重な建造物として国登録有形文化財に指定されています。

この文章を書くにあたっては、本文であげたもののほか『青森銀行史』(1968年 青森銀行行史編纂室)、『新青森市史 通史編第3巻 近代』を参考にしました。


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電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp

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