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「あおもり歴史トリビア」第565号(令和5年8月4日配信)

「あおもり歴史トリビア」第565号(令和5年8月4日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。

歴史資料室では毎月第3水曜日に歴史講座「『あおもり歴史トリビア』を読む会」を開講しています。今年1月の講座では明治39年(1906)5月に開催された「青森開港及開市二百八十年祝賀会」を取り上げました。この祝賀会は「開港(青森港が特別輸出港に指定され対外貿易が可能になったこと)を祝うとともに、「開市(青森の町づくり)」から280年が経過したことを記念して開催されたものです(詳しくは「青森県史の窓」第213号〈執筆:工藤大輔〉をご覧ください)。
この祝賀会の後、開市300年の行事を行う際の参考資料となるように報告書がまとめられています。では、開市300年の節目の年に祝賀行事は開催されているのでしょうか。

調べてみると、大正14年(1925)に「青森開港三百年紀念 国産奨励勧業博覧会」という催しが開催されていることがわかりました。「開市」という言葉は使われていませんが、青森の町づくりが始まった寛永2年(1625)から300年となることを記念して開催された催しと考えられます。
博覧会の開催については大正14年6月15日に主催者側から発表がありました。『東奥日報』大正14年6月17日付朝刊によると、合浦公園を会場とし、8月1日から8月31日まで開催するという計画でした(実際は9月15日まで会期を延長して実施)。博覧会の会長は衆議院議員の小泉辰之助(筒井村〈現青森市〉出身)、副会長は青森県会議長の河野栄蔵(川内村〈現むつ市〉出身)が務めました。

さて、この博覧会について『青森県総覧』(1928年 東奥日報社)には「主催者は個人で組織の上に幾多の欠陥あり、不人気に終りその後始末で紛糾した」と記されています。当時の『東奥日報』にも記事が少なく、残念ながら「青森開港及開市二百八十年祝賀会」のような盛り上がりはなかったようです。

『東奥日報』大正14年6月25日付朝刊には、博覧会への出品を打診された弘前市各種生産者協議会が「個人経営」であることを理由に出品を断ったという記事が掲載されています。一方で協議会は8月10日から23日に函館市で開催される「函館青森間貨車航送記念共進会」(主催:函館市・函館商業会議所)への出品には賛成しています。なんと博覧会と類似する催しが同時期に函館市でも開催されることになっていたのです。
『青森県総覧』によると、この共進会には青森県から1,200点の物産が出陳されたといいます。同時期に函館市で共進会が開催されたことも、青森市の博覧会が不人気に終わった要因の一つかもしれません。

次の担当回では博覧会開催中のようすなどをお話したいと思います。


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  • Posted : 2023/08/04
  • Published : 2023/08/04
  • Changed : 2023/08/04
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