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「あおもり歴史トリビア」第570号(令和5年9月15日配信)

「あおもり歴史トリビア」第570号(令和5年9月15日配信)

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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは。歴史資料室の村上です。前回の担当回(8月4日配信)では大正14年(1925)に開催された「青森開港三百年紀念国産奨励勧業博覧会」の概要についてご紹介しました。今回は博覧会の会期中のようすをお話ししたいと思います。

博覧会は大正14年8月1日に開会しました。会場となった合浦公園には産業館や農工館、演芸館など複数の施設が建設されました。ただし、工事が間に合わず、産業館の陳列ができあがっていない状態で開場式を行っています。開場式は午前11時から演芸館で行われ、博覧会会長の小泉辰之助(衆議院議員)と副会長の河野栄蔵(県会議長)による式辞のあと、青森市長の阿部政太郎、県勧業課長の中井久三、青森商業会議所会頭の樋口喜輔が祝辞を述べました。取材した記者は「規模の小なるに比しては比較的内容のある催し」と評価しています(『東奥日報』大正14年8月2日付朝刊)。

産業館などの施設はこの年の4月、福島県平町(現いわき市)で開催された「国産奨励勧業博覧会」で使用した施設を再利用したものでした。平町の博覧会で会長を務めた伊東一によると「青森の友人が此度開港三百年の記念博覧会をやりたいと云って相談に来たので、速刻承諾して会場を取り毀し、材料を汽車で運搬」したといいます(伊東一『苦難を越えて人生の謎を解く』補訂第三版 不二出版部 1952年)。

工事が遅れた影響もあって、初日の入場者は130人と少なく、2日目は1,000人を超える入場者があったものの、その後は500人以下の日が続きました。予想していたほどの入場者がなく出品者は大いに困りましたが、次第に会場が整い入場者数は増加していきました(『東奥日報』大正14年8月22日付夕刊)。

この博覧会は8月31日で終了する予定でしたが、9月1日付『東奥日報』朝刊に会期を9月15日まで延長し、入場料を値下げするという記事が掲載されました。さらに、9月3日付の朝刊では制服を着た海軍軍人に対する入場料割引を行うことも発表しています。実はこの時、青森港に海軍の艦隊が入港する予定があり、各地から艦隊を観るために多くの人が青森市を訪れることが予想されていました。艦隊を参観する人々や海軍軍人を博覧会へ呼び込もうと考えたのでしょう。

前回もお話ししたように、この博覧会には明治39年(1906)に開催された「青森開港及開市二百八十年祝賀会」のような盛り上がりはなく、のちに不人気という評価を受けました(『青森県総覧』1928年 東奥日報社)。しかしながら、「開市(青森の町づくり)」から300年という節目を意識していた人がいたことを示す重要な催しと捉えることもできるのではないでしょうか。


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電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp

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