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「あおもり歴史トリビア」第580号(令和5年12月1日配信)
- [Registrant]青森市
- [Language]日本語
- [Location]青森県 青森市
- Posted : 2023/12/01
- Published : 2023/12/01
- Changed : 2023/12/01
- Total View : 65 persons
Web Access No.1501637
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The permanent exhibition, which features 38 permanently installed works that can only be seen here in Towada, is composed of commissioned works by 33 internationally renowned artists, including Yayoi ...
(0176) 20-1127十和田市現代美術館
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〈青森市メールマガジン〉
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こんにちは!室長の工藤です。
今回は、藩政時代の村々の家が所有していた馬について述べてみようと思います。
『新青森市史』資料編近世(2)173号文書に、弘前藩主の浅虫迄の移動ルート上にある村々(入内村〜浅虫村)の村況を記した文久元年(1861)の記録が掲載されています。
これによると、各村の戸数1戸当たりの平均馬数は、小館村3.10疋・高田村0.97疋・荒川村2.75疋・八ツ役村1.77疋・浜田村2.10疋・堤村1.31疋・浦町村1.37疋・作道村0.92疋・原別村1.70疋・久栗坂村0.26疋・根井村0.53疋となります。小館・荒川・浜田の2か村が2疋以上で、これらの村々のなかでは馬を多く抱えている村落といっていいでしょう。一方、久栗坂・根井の陸奥湾沿岸の2か村は1疋にも満たない、極端に馬数が少ない村落であるといえます。
さて、ここで1戸当たりの平均馬数が3疋を超えている小館村に注目してみましょう。明治初めの記録『新撰陸奥国誌』によれば、同村は田畑の生産力が乏しく農閑期の副業として炭焼きをやっていたとあります。さらに、幕末期小館村のようすについて記した『新青森市史』通史編第2巻によれば、全戸数25戸のうち15戸が「田を中心とした農耕だけでは経営を維持することができない」状況にあり、「何らかの形で経営の補填がない限り、経営を維持することはできなかった」と評価しています。
さきの『新撰陸奥国誌』の記述にしたがえば、炭焼きによって「経営の補填」がなされていたとなりますが、1戸平均3疋を超す馬を抱える家が、その畜力を農耕と山仕事だけに利用していたとは考えにくく、一年を通じて利用するという視点から考えると馬は「駄賃稼ぎ(駄送)」に利用されていたとみられます。
小館村は浪岡村から高田村までの約12kmにわたる街道筋にあります。この街道は19世紀初めには降雪期の馬の通行が可能になっています。万延元年(1860)の滑稽本『御国巡覧滑稽嘘盡戯』の主人公弥太八と喜次郎兵衛もまた、浪岡村から浅虫村へ向かう際に小館村を通っています。小館村の人々はこの街道を利用した駄賃稼ぎにより「経営の補填」をしていたのではないでしょうか。
ところで、小館村の東側に野沢村があります。ちょうど小牧野遺跡がある辺りが野沢村です。同村は小館村とおなじく田の生産力の低い村でした。ここで注目したいのは、小牧野遺跡の環状列石に「馬頭観世音」と刻み、同村の新山久助が嘉永7年(安政元・1854)に建てた碑です。この辺りにはかつて弘前藩が経営した牧のひとつ入内牧があったことから、この碑の存在を牧と結びつけて理解しようとする考え方があります。
しかし、入内牧は碑が建てられる20年以上も前に廃止になったといいます。ですから私は碑と牧を結びつけるのは難しいのではないかと思います。むしろ、隣村小館村のような馬の利用があったことを碑が示唆しているのはないかと…そう考えています。
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青森市民図書館 歴史資料室
TEL:017-732-5271
電子メール: rekishi-shiryo@city.aomori.aomori.jp
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